毎朝、私は敗北します。
鏡の前で15分。ドライヤーを握る手が、徐々に力を失っていきます。
ああ、今日も髪が言うことを聞いてくれない。でも、もう時間がない。
「お母さん、今日の髪型、なんか昨日と同じ…?」
出勤前の息子の言葉に、苦笑いしか返せません。そう、毎日同じ失敗を繰り返しているんです。でもね、これには理由があるんです。
40代の髪、みんなこっそり諦めてる説
先日、美容院で「お任せします」と言ってしまった私。この「お任せ」という言葉は、40代女性の白旗宣言のような気がします。だって、もう何が似合うのかも分からなくなってきているんですから。
ちなみにこれ、私だけの敗北宣言ではないらしく。調査によると、なんと91.3%の40代女性が髪の悩みを抱えているそうです。ほら、私たち、妙に団結力があるでしょう?その悩みを見てみましょう。
悩みの内容 | 該当者の割合 |
---|---|
うねり・くせ毛 | 67.8% |
パサつき・ゴワつき | 64.2% |
ボリューム不足 | 58.5% |
※株式会社宝島社調べ(2023年)
数字を見ているだけで妙に心が温かくなりませんか?そう、私たちは一人じゃない。毎朝、同じように鏡の前で深いため息をつく仲間が、これだけいるんです。
ある朝の、小さな気づき
そんなある日、寝坊しました。普段なら15分かけるヘアセットを、3分で済ませる羽目に。ドライヤーで乾かして、とりあえず一つに束ねて、「まあ、いっか」と投げやりな気持ちで家を出たんです。
すると。
「お母さん、今日なんか若く見える」
息子からまさかの褒め言葉。…え?もしかして、私たち、頑張りすぎてた?
「手抜き」という名の必殺技
そう、私たちは「頑張りすぎ」という罠にはまっていたんです。完璧を目指すあまり、かえって不自然になっていた。毎朝の必死のアイロンがけが、実は余計なお世話だったなんて。
従来の呪縛 | 「まあいっか」テク | 所要時間 |
---|---|---|
全体をアイロンで完璧に | 前髪だけサッと | 3分 |
寝グセは絶対直さないと | 後ろだけでOK | 2分 |
うねりは敵 | 今日はこれがトレンド | 0分 |
驚くべきことに、この「手抜き」で浮いた時間で、ちゃんとスキンケアができるようになりました。髪は適当なのに、なぜか肌はツヤツヤ。これって、案外アリかもしれません。
「まあいっか」を味方につける
毎朝の支度時間は、ほんの数分。でも、その「手を抜く勇気」が、意外といい仕事をしてくれるんです。そして気づきました。私たちの髪が扱いづらくなったのは、年齢のせいだけじゃないのかもしれない。むしろ、必要以上に手をかけすぎていたから、髪が反抗的になっていたのかも。
私の「ここまでやれば、まあいっか」リスト
- 前髪だけは形をつける(第一印象は大事、でもそれ以外は適当)
- 顔まわりの2本だけピン留め(これだけで「ちゃんとしてます感」が出る)
- ボリューム不足は帽子で解決(休日の新定番。意外とオシャレに見えます)
40代の髪型、答え合わせ
結局のところ、完璧な髪型なんてないんです。あるのは、「今日はこれでいっか」という小さな妥協の積み重ね。その日の気分、天気、時間との相談。そんな中で見つけた「ちょうどいい」が、案外しっくりくる。
40代って、「完璧」を手放せる年齢なのかもしれません。それって、ある意味、最高の贅沢かも?